チャプター 201

「……さあ、俺をバスルームまで連れていってくれ。小便がしたい」

ヘンリーの声は低く、彼は重たく私の肩にもたれかかっていた。その体重のせいで、私はほとんど身動きが取れない。しかも彼はわざと顔を私に近づけ、話すたびに唇が私の耳たぶをかすめた。温かな吐息が肌をなで、不意だったのか、それとも意図してのことなのか、判断がつかない。

私はその場に立ちすくみ、彼の体重の大半を支えたまま、耳たぶに触れたあの一瞬のやわらかな感触から逃れられなかった。そこは昔から私の弱いところだった。そして今でも――あれほどのことがあったあとでさえ――ヘンリーの息がそこをかすめるだけで、全身に電流が走る。心臓がひとつ脈を飛ば...

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